学士入学とは
学士入学制度とは、学士号を持つもの、つまり大学を卒業した者が大学の学部に入学する編入学制度である。
学士入学するためには、それぞれの大学が独自に実施する学士入学試験に合格しなければならない。
学士入学試験は、医学部、歯学部、獣医学部などでは盛んに実施されている行われている一方、それ以外の学部ではあまり実施されていない。
理工学系の学部で学士入学試験を実施している大学は、国公立だけでは数校、私立を入れても20校以下である。
以下に理工系の学部で学士入学試験を実施している主な大学を示す。
■国公立大学
北海道大学(工学部)、東北大学(工学部)、東京大学(農学部)、東京大学(工学部)*1、京都大学(工学部)*1、名古屋大学(工学部)*2、大阪大学(理学部)*3、首都大学東京(都市教養学部)
■私立大学
早稲田大学(理工学部)、早稲田大学(教育学部)、慶應義塾大学(理工学部)*1、明治大学(理工学部)、日本大学(理工学部)
*1:出願はその大学の出身者に限られている。
*2:学科が限られている。
*3:詳細が記載されていないため実施状況が不明
学士入学と編入学
「学士入学」は「学士編入学」と呼ばれることもある。
通常、学士入学の入学年次は2年次や3年次となり、教養の単位は全単位認定され、実質編入学となるからだ。
実際に編入学試験で学士を受け入れている大学もあり、学士で入学した人を、「学士入学者」として扱っている大学もある。
一方では、学士入学試験と編入学試験を別々に実施している大学もある。
編入学試験は高専や短大出身者向けの試験とし、学士入学試験は大学出身者向けの試験としている。
理工系の学部に入学する場合、大卒者であれば、まずは学士入学を目指すべきである。
その理由としては、理工系の学部の編入学試験には、大学生と比較して専門知識を持った優秀な高専生が応募してくるため、専門分野の学力に劣る大卒者には不利だからだ。
学士入学と大学院入学
専攻を変えたい場合、学士入学で学部に入学する以外に別の専攻の大学院に入学するという方法がある。
学歴としては、学部から大学院という形になり、表面的には特殊な学歴にはならないという利点がある。
しかしながら、学部の基礎知識を持たないまま、2年間で別の分野の研究をして成果を出すということはかなり無理がある。
たとえ2年間で修了したとしても、「学歴はあるが基礎知識が欠けている人材」になりかねない。
学部から専攻を変える場合、学士入学した後に大学院に入学することをお勧めする。
そのほうが、2つの分野の基礎知識を生かして、密度の高い研究ができるはずだ。